夫が作った離婚協議書

2022年10月05日

養育費や慰謝料といった離婚の取り決めを、書面として残すことに抵抗感

を抱く男性は少なくありません。

書面化するということは、ただの口約束とは大きく異なります。

取り決めを遵守することが求めらますし、証拠としての効力ももちろん

あります。

子どものためを思えば、離婚後の取り決めをきちんと書面に残し、その

取り決めを遵守しようと双方が努めることは、とても大切なことです。

 

離婚の書面は記載内容の専門性が高いため、専門家に依頼することが

望ましいですが、中にはご自身で作成する方もいらっしゃいます。

この場合、問題となるのは夫が一方的に作成する書面です。

 

離婚の取り決めは主に、親権・養育費・慰謝料・財産分与といった項目

があります。

夫婦で取り決めたことをそのまま記載してくれればいいのですが

□夫婦で取り決めたことと違うことを記載する

□妻にとって不利な条件を勝手に記載している

□自分(夫)にとって有利な内容を記載する

ということが実際にあります。

何よりも問題なのが、妻がそれと知らずに書面にサインをしてしまうと

いうことです。

 

さきほど、離婚の書面は記載内容の専門性が高いと述べたように、普段の

日常会話では使わないような専門用語を含んだ文章で構成されています。

そのため一見しただけでは、文章の意味や相手の意図に気付かないことが

あります。

 

例えば下記のような文章を夫が作成してきたとします。

①養育費は高校卒業までは毎月3万円、それ以降は2人で協議する。

②預貯金等の財産分与は離婚後に夫婦で話し合う。

 

どちらもぱっと見はそこまでおかしくはありませんが、よくよく考えると

妻にとって非常に不利な内容になっています。

 

①に関しては、高校卒業以降は養育費は協議となっていますが、この書き方

だと、いざそのときがきても夫が協議に応じるかどうか分かりませんし、

たとえ協議に応じたとしても、引き続き養育費を支払ってくれるかどうかまで

は決まっていません。

②に関しては、一見しっかり財産分与をしてくれるようにも見えますが

話し合うだけとなっているので、財産分与をしてくれる保証はありません。

 

こういったことを踏まえ、夫が作成した書面は隅々まで確認することが

大切です。

夫があれこれ自分に都合のいいように妻を説得してきたとしても、ほだされる

ことなく、公平に取り決めを行ってもらえたらと思います。

こういったことを防止するためにも、離婚の書面は専門の第三者に依頼する

ことが望ましいとされています。

離婚の書面は、養育費や財産分与などが記載された、夫婦にとって非常に

重要な契約書です。基本的には一度しか作成しないものですから、お互いが

納得できるようなきちんとした書面を残したいですね。

Category:離婚相談, 秋田っていっすな~ 日々奮闘する女性行政書士のブログ

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