離婚の条件は経年変化するもの

2020年05月26日

離婚には合意したけれど、離婚届を出すのはまだ先にすると決めている

というご夫婦がいらっしゃいます。

このケースには夫婦間のさまざまな事情があります。

たとえば

〇子どもが高校を卒業したら離婚届を出すと決めている

〇夫が定年退職したら離婚届を出すことにしている

〇お金がある程度貯まってから家を出ていくことにしている

などといった事情です。

 

離婚を決めてから、実際に届を出すまでに数年間を要するケースが多い

ですが、中には10年以上かかったご夫婦もいらっしゃいます。

 

そして、こういったケースに特徴的なのが

離婚に合意したときの条件といざ離婚届を出すときの条件が違っている、と

いうことです。

いざ離婚するときに条件が下がってしまうということです。

 

「預貯金は私にくれると話していたのに、折半すると夫が言い出した」

「自宅は私の名義にしてくれるはずだったのに、しぶり始めた」

「年金分割すると約束したのに、応じてくれなくなった」

といったことが往々にして起こります。

 

離婚の合意からいざ離婚するまで、時間がたてばたつほど、この傾向が強く

なるように思います。

その理由としては、相手側(今回は男性に限定)の3つの変化が挙げられ

ます。

①懐事情の変化

転職して給料が下がったり、定年退職して年金暮らしになったりと、経済的

に余裕がなくなる。

②気持ちの変化

離婚を決めたときは妻に対して申し訳ない気持ちがあったが、徐々にその

気持ちが薄れてきた。

③生活状況の変化

新たに好きな人が出来たり、転職して県外に引っ越すことになった。

 

などいった変化が起こると、以前の取り決め通りで離婚するのが難しく

なってしまいます。

ただもうこの段階では、お互いに夫婦関係を修復する気はなく、離婚に舵を

切ってしまっていますから、何とか条件面に折り合いをつけていくしか

ありません。

 

離婚の合意から離婚するまで、ある程度期間をあける場合、条件面の

取り決めはなかなか難しいものです。

時間があけばあくほど、条件が変わりやすいということを心に留めて

おいて頂けたらと思います。

 

Category:離婚相談, 秋田っていっすな~ 日々奮闘する女性行政書士のブログ

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