2024年10月25日
養育費をいつまで支払ってもらうのか、今回は養育費の支払いの終期
について、少し考えてみたいと思います。
現在ほど養育費という言葉が一般的に浸透していなかった少し前までは
養育費は子どもが20歳になるまで、成人するまで、という取り決めが
多かったように思います。
時間の経過とともに少しずつ養育費という考え方が浸透してくると
子どもが専門学校・短期大学・大学へ進学した場合においては、学校を
卒業するまで支払うといった、現実に即した取り決めをするケースが
増えてきました。
特に、両親ともに大卒の場合においてはその傾向が顕著になります。
またその一方で、子どもの進路についてはそのときが到来しないと
分からないということを理由に、養育費は高校卒業までと短く区切る
ケースもあります。
夫婦でも子どもの進路への考え方は異なります。
妻は子どもの進路・進学に意欲的に取り組んでいるが、夫は積極的に
子どもの進路に関与しない・したがらないということはよくあります。
育児にどれくらい携わっているのかでも養育費への考え方は変わって
きます。
夫婦で育児や養育費について考え方が大きく異なるときは、お互いに
譲歩できる点とできない点を明確にしながら、離婚の話し合いを進めて
いくことが取り決めの大きなポイントになります。
例えば、養育費は子どもが大学を卒業するまで支払うけれど、大学の
入学金や授業料については明細書を事前に提示してほしいとか、
養育費はとりあえず高校卒業までという取り決めにするけれども、その後
子どもが大学等に進学した場合は、その後の養育費についてどうするかを
必ず夫婦で話し合う場を設けること、
といったように、ここは譲るけれど、その代わり、そこは譲れないと
いったように、折り合い地点を探っていくことが時に必要になります。
自分が譲歩できる点とできない点をはっきりしておくことで、相手に
譲歩したときも納得しやすくなります。
子どもを引き取って育てる側としては、より多くの養育費を受け取りたい
のが本音です。ただ、離婚協議は相手あってのものであり、ことお金に
関しては、相手の生活のことも考えたうえで取り決めなければなりません。
離婚の取り決めを話し合う際に、上記のような少しの工夫をすることで
お互いが納得しやすくなることもあります。
話し合いが行き詰ってしまったときは、さまざまなアプローチを検討し
専門家の話も参考にしてみてください。
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2024年10月18日
離婚の際の養育費の取り決めは、養育費算定表を参考にして夫婦で
話し合って行うのが一般的です。
ただ、養育費算定表で算出する金額には幅があります。
夫婦の年収をもとに養育費を算出するのですが、2~4万円、4~6万円、
8~10万円といったように、数万円の幅がある金額で話し合っていきます。
たとえば、夫婦それぞれの年収で算出した養育費が4~6万円だった場合
妻は6万円を請求しているが、夫は4万円に抑えたい、協議の結果、5万円
で落ち着く、といった決め方をされる方が多数いらっしゃいます。
ここで難しいのは、子どもがかなり本格的に部活動や習い事に取り組んで
いるようなケースです。
そのようなケースおいては、遠征費や合宿費でお金がかかることに加え、
子どもの送迎といった日常生活での負担もかなり大きくなります。
離婚するにあたっては、子どもの部活動・習い事に対して相手に正しく
理解してもらうこと、それと同時に、子どもが部活動・習い事を行うに
あたって、自分がどれほど手間をかけているのかも伝えておくことが
大切です。
その理由としては、本格的に部活動・習い事をやっている場合、試合や
発表会、表彰式へのご両親の参加、子どもの送迎など、離婚しても
別れた相手の手を借りなければならない機会がたびたび訪れるからです。
さらには、自分が外せない仕事や病気の場合においては、相手や義理の
両親の助けを請わなければどうにもならない状況に陥ることもあるから
です。
このように離婚後も、相手または相手の家族と接触する機会が少なく
ない場合においては、養育費の取り決めはできるだけ円滑に行いたいと
いうのが理想です。
あまりに高額な養育費を請求すると、のちのちまで相手やその家族から
ネチネチ言われて嫌な気分になることは明白です。
少しでも多くの養育費をもらいたいのが本音ですが、相手が無理なく
払い続けることのできる金額で折り合いをつけることは、長い目で見た
ときに一番賢いやり方かもしれません。
夫婦の形は千差万別ですから、離婚の取り決めにおいて、
「絶対にこのやり方がいい!」と押し付けることはナンセンスです。
また離婚協議は水物です。
普段から妻の言いなりになっている夫が、離婚の取り決めの段になって
強気な態度で押してくるなんてこともよくあります。
反対に、お金にシビアな夫が養育費を多めに支払ってくれることに
なった、なんていうケースもあります。
離婚の話し合いはなかなか思ったようにいかないことがほとんど
ですが、子どもの将来を見据えて、こちらの考えが相手に理解して
もらえるまで粘り強く交渉することは、どんなときでも大切です。
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2024年10月11日
今回は、退職金の計算方法についてみていきます。
退職金を財産分与する際の計算方法は次のとおりです。
退職金 × 婚姻期間 ÷ 勤務年数 = 財産分与の金額
この計算方法で算出された金額が財産分与の対象となりますが、
離婚の財産分与は、夫婦で2分の1ずつが原則となっているため、
算出された金額の2分の1が、妻が受け取ることができる退職金の金額
になります。
具体的な数字を使って再度考えていきます。
退職金が2000万円、婚姻期間が20年、勤務年数が25年とします。
それでは計算してみましょう。
2000万円 × 20年 ÷ 25年 = 1600万円
1600万円 ÷ 2 = 800万円
妻が受け取ることができる退職金は800万円ということになります。
ただ、これは退職金がすでに支払われている場合における計算方法に
なります。
まだ退職金が支払われていない場合は、上記の計算方法の退職金の部分を
「離婚した時点で退職した場合に受け取ることができる退職金」に
置き換えて、計算することができます。
離婚を見据えて別居しているようなケースは、離婚した時点ではなく、
別居した時点で計算することになります。
この他にも、まだ支払われていない場合の退職金の計算方法がもう一つ
あります。
定年退職した場合に受け取ることができる退職金を算定し、そこから
婚姻前の期間と離婚後の期間に該当する退職金を差し引くというやり方
です。
退職金の財産分与にはほかにも、退職金を相手が勝手に使ってしまわない
ように「仮差押え」するような方法もあります。
以上、前編と後編にわたってお話してきましたが、退職金の財産分与に
ついては、「このケースはどうなるんだろう」と、なかなか判断できない
ような部分が多々あります。
専門家の手を借りることも念頭に置いて、財産分与を行う前に、
あらかじめ正確な知識をつけることを心掛けてください。
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2024年09月24日
退職金は、離婚の財産分与の対象になりますが、誰しもが一律対象に
なるわけではなく、その取扱いには注意が必要です。
退職金が既に支払われている場合において、手元にお金が残っていれば
財産分与の対象となります。
住宅ローンの返済や生活費などでお金を使ってしまい、手元に残って
いなければ、財産分与の対象外となります。
一方、退職金がまだ支払われていない場合においても、退職金が財産分与
の対象にならないようなケースもあります。
まず、退職金が財産分与の対象になるのは、婚姻期間と働いていた期間が
重なる部分となります。
そのため、結婚前に働いていた期間や離婚後に働いていた期間は、財産分与
には含まれません。
退職金がまだ支払われておらず、ほぼ確実に支払われるような場合は
財産分与の対象となる可能性が高くなります。
たとえば、相手が公務員で来年定年退職する予定であるとか、会社から
退職金について説明を受けていたり、会社の就業規則で退職金制度について
定められている場合などが該当します。
これとは反対に、退職までまだ10年以上あるとか、転職を繰り返している
場合とか、そもそも会社に退職金制度が存在しない場合などにおいては
財産分与に退職金を含めることが難しくなります。
ただ、退職まで10年以上ある場合でも、本人同士が合意のうえであれば
離婚の際に、「将来退職金を受け取った場合は、財産分与する」という
取り決めをすることは可能です。
退職金には“給料の後払い”という性質があるため、離婚時の財産分与の
対象になりますが、上記で述べたように、相手の勤務先・勤務状況など
によって取り扱いが大きく異なります。
退職金は金額が大きいため、その取扱いをどうするのか夫婦でもめやすい
問題でもあります。
離婚の前に、正確な知識を頭に入れておくことが大切です。
後編では、退職金の計算方法についてお話していきます。
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2024年09月06日
離婚の際に、マイホームを所有している場合、ローン返済の問題も含め
今後どうしていくのかを詳細に話し合って取り決めねばなりません。
まずは、自宅の土地と建物の名義(所有者)が誰になっているのかを
確認するところから始まります。
意外かもしれませんが、自身の家の名義について問われたときに
「あれ?どうだったかな」と曖昧な回答になるケースが結構あります。
家を購入したあとに、不動産の登記事項証明書を確認するような機会は
まず訪れないからです。
登記事項証明書とは全部事項証明書ともいいますし、古い言い方をすれば
登記簿謄本ともいいます。
多くの場合、自宅を購入したときに、登記簿謄本ないしは登記事項証明書
がお手元にあるはずなのですが、時間の経過で置き場所が不明になったり、
紛失してしまうようなケースもあります。
そのような場合は、最寄りの法務局に行くと、登記事項証明書を取得する
ことができます。(1通600円程度です)
登記事項証明書を確認すると、現在の所有者、そしてローン(抵当権)に
ついても記載されているため、間違うことなく不動産の情報を把握する
ことができます。
秋田の場合だと、自宅の建物は夫が所有しているものの、土地に関しては
その名義が義父になっていたり、夫と義父母の共有名義になっているよう
ことも珍しくないため、注意が必要です。
自宅に関しては、離婚に伴う財産分与として、妻が夫から分与してもらう
ことは可能ですが、住宅ローンが残っている場合だと、ローン返済に
ついて今後どうするのかまでしっかり話し合い、取り決めておくことが
重要です。
そもそもローンが残っている場合、自宅の名義変更は銀行の承諾がないと
行うことは出来ません。
離婚で家をもらう約束をすることと、住宅ローンの返済については別問題
となります。
現在夫が住宅ローンの債務者である場合、離婚により妻に家を財産分与
することになっても、それをもって、ローン返済が妻に移行するわけでは
ありません。
住宅ローンはあくまで銀行と契約を結んだ債務者(この場合は夫になる)と
の問題なので、離婚後に妻に住宅ローンを返済してほしいような場合は、
夫婦で協議し、妻を新たに債務者とするなり、妻がローンを借り換えたり
する必要があります。
離婚に伴う不動産の取り扱いについては、さまざま方法がありますので
専門家の意見を参考にしたうえで、そのご家庭に合ったやり方を選択して
もらえたらと思います。
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2024年08月30日
夫の浮気を原因として離婚をするなら、慰謝料は受け取っておくことです。
慰謝料を請求する相手は、夫または浮気相手のどちらかになりますが、
それは請求する側の事情にもよります。
(※夫と浮気相手の両方に請求することもできます。)
ただ、浮気が離婚の原因ならば、夫に請求して償ってもらうことは
前へ進むために必要な工程だとも私は思います。
慰謝料を支払ったからといって、夫の浮気が完全に許される、なんて
そんな簡単な話ではありません。人によってはその後何年も苦しむこと
もあり、容易に立ち直れないケースもあります。
慰謝料が浮気の免罪符にはなりませんが、ただ、離婚をする場合、
どこかで“区切り”をつけないと、人はなかなか前へ進めないからです。
その“区切り”が慰謝料なのか、誠意ある謝罪なのかは人にもよりますが、
離婚の場合、離婚後の生活のためにも慰謝料を受け取っておくことは
とても大切です。
新生活を一歩踏み出すときに、少しでも多くの元手があった方が精神的な
負担が軽減します。
たとえ離婚の時点では、浮気に対しての気持ちの整理がついていなくとも
しっかり“区切り”をつけておくことで、ずっとずっとあとになってから
納得できるときが訪れることがあるからです。
一方で、夫の浮気が発覚しても離婚を選択しない場合においては、
夫に対する慰謝料の請求は、今後の夫婦の信頼関係にひびが入る恐れが
あるため避けておいた方が賢明です。
浮気発覚当時は、妻は「絶対に許せない」と怒り心頭の状態ですし、
夫は妻の言うがままサンドバック状態になっている場合、慰謝料を
取ることは可能です。ただ、ほとぼりが冷めると夫が「妻から慰謝料を
取られた」という被害者意識が芽生えることがありますから、
離婚しない場合においての慰謝料は慎重に検討して下さい。
慰謝料の受け取りは、可能な限り、一括払いの振込みが望ましいです。
一括払いが難しく、分割払いになる場合は、極力支払の回数を減らす
ようにしてください。
毎月1万円ずつを10年間、といったような長期に及ぶ慰謝料の支払は
払う側にとっても受け取る側にとっても、負担でしかないからです。
また、慰謝料の取り決めは必ず書面に残してください。
慰謝料はとかく紛争になりやすい性質があるからです。
浮気の事実に始まり、慰謝料の金額や支払方法などを記録に残しておか
ないと、時間の経過とともに事実が薄れていってしまいます。
慰謝料については、上記のように抑えるべきポイントが沢山ありますから
一人で何とかしようと思わず、専門家に相談しながら対処することを
お勧めします。
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2024年08月02日
離婚の際、養育費や慰謝料については協議において重点が置かれますが
財産分与の取りこぼしには気を付けなればなりません。
夫婦によって、家計のやりくりはさまざまです。
夫婦の財布を完全に分けてしまうケース、反対に、夫婦の収入をすべて
合算するケース、はたまた、毎月一定額を夫婦がそれぞれ拠出するケース
など、本当にさまざまです。
離婚の際に要注意なのは、夫婦の収入をすべて合算していたケースです。
お互いにしこりなく貯金を折半しましょうとなれば問題はありませんが
どちらかが多くお金を出してきたような場合、財産分与において、どの
割合で分けるか、話し合いが進まないこともあります。
多くお金を出したのだから、貯金も多くもらいたいと一方が主張しても
そもそも収入に差があったり、家計のお金はあくまで生活費なのだから
貯金の財産分与は2分の1にするべき、という考えもあります。
離婚の際、夫婦の財産は基本は折半になります。
これは、どちらかが専業主婦(夫)の場合でも変わりません。
例外として、医師や弁護士などの一定の職業は、当人の個人的な能力
によるところが大きいとして、折半にはならないようなこともあります。
お金に関して、家計を一つの口座で管理すると、夫婦どちらのお金という
区別がつかなくなるため、財産分与の際にもめてしまうことがあります。
特に、結婚前に貯めてきたお金、親からもらったお金、相続で得たお金
に関しては、そもそも財産分与をする必要がありませんから、その管理
は自分で行うことが望ましいです。
貯金の財産分与に関しては、基本原則を踏まえつつ、お互いが折り合い
のつくところで手を打つことが、円満解決の近道です。
どうしても納得できないようであれば、調停を申し立てるという方法も
あります。
それぞれの夫婦に合ったやり方で対処するしかありませんが、少しでも
不安がある場合は、お近くの専門家に相談することが何より大切です。
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2024年07月26日
離婚の際、取り決めることは沢山ありますが、子どもとの面会交流について
は、あまり重要視されていないという印象があります。
面会交流とは、離婚後、親権がない親と子どもが会うことをいいます。
今後は「共同親権」が導入されるため、この面会交流についてもより詳細に
取り決めることになるのではないかと予想されます。
現状、面会交流については、その頻度だけを取り決めて終わるケースが
多いです。
「元夫が子どもと会うのは毎月1回」
「元夫と子どもは自由に面会して構わない」
「子どもが希望すれば、面会交流の回数を増やす」
などといった取り決めが一般的です。
われわれ行政書士は、取り決めの書類を作成することが仕事であり、離婚後
の面会交流が約束通りに行われているかまではチェックすることはできませ
ん。ただ、離婚の際に取り決めをしっかり行っているご夫婦においては、
離婚後に面会交流でのトラブルはないように見受けられます。
この面会交流の取り決めにおいて、難しいのは「元夫が育児に積極的に関与
したがる」ようなケースです。
そのようなタイプの男性は、子どもの運動会や授業参観などにも積極的に
参加を希望するため、妻としては対応に頭を悩ませることがあります。
もちろん、妻の側が「元夫が子どもに関与することは喜ばしいことだ」と
考えているようであれば問題ありませんが、そうでないことのほうが多いため
元夫の対応に苦慮するときもあります。
そのような場合は、面会交流の取り決め内容を詳細に詰め、例えば
・運動会や授業参観は自由に参加していい、ただし、1週間前までに参加の
連絡をすること
・半年に1回は宿泊を伴う面会交流にする
といったように、相手にも配慮した内容にすることで、のちの紛争を防ぐ
ことにつながります。
明確に金額が定まっている養育費とは異なり、子どもの気持ち・福祉に配慮
して行う面会交流は、そのときそのときの子どもの状況によって、約束した
通りにはいかないことが多々あります。
そのため、面会交流について相手ともめそうな要素がある場合は、離婚の
際にしっかりと話を詰めて、細かく取り決めておくことをお勧めします。
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2024年07月19日
子どものいる夫婦が離婚をする際、一番気を揉む取り決めは養育費に
ついてだと思います。
養育費は「養育費算定表」という金額についての目安となる表があるため
「なんだ、その算定表に照らし合わせて取り決めればいいんだ」と最初は
思うものの、いざ金額を確認してみると、「これじゃ少ない。納得できない」
というケースは少なくありません。
算定表の金額に納得できるようであれば、それで取り決めが済みますし、
納得できないようであれば、算定表の金額をベースに、夫婦で話し合って
取り決めることになります。
夫婦で合意できるようであれば、算定表より低い金額でも高い金額でも
問題ありません。
支払方法についても、夫婦の事情に沿って柔軟に取り決めることもできます。
例えば、養育費を毎月5万円と取り決めたとします。
夫は妻に1年間で総額60万円を支払うことになります。
夫としては毎月5万円を負担するのは厳しいので、毎月の支払う金額を3万円
に抑えて、その代わりボーナス月に多めに支払う、養育費の総額は変わらない
ようにする、というやり方もできます。
養育費は子どものためのお金ですが、よほどのケースを除いて、夫が快く
多めに支払ってくれることの方が珍しいです。
算定表よりも金額を高めに設定したい場合は、話し合いの初期段階でつまず
かないよう、相手が納得できるだけの根拠となるもの(毎月子どもの養育に
かかる費用の資料などをまとめたもの)を用意しておくことが必要になりま
す。
夫婦の話し合いがこじれて、養育費の取り決めが出来ない場合は『調停』を
申し立てることもできますが、調停の場においても、養育費の金額は算定表
がベースになることは覚えておいてください。
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2024年06月28日
前回のブログで、離婚の取り決めは公正証書がお勧め、という話をしま
したが、公正証書には越えなければならないハードルが2つあります。
一つは、強制執行の効力について夫の同意を得ること、もう一つは、
完成した公正証書を受け取りに夫婦で公証役場に同行することです。
一つ目の強制執行の効力については、前回記載した通り、養育費などの
金銭を夫が支払わない場合に、夫の給料が差し押さえられますから、
その点で夫が公正証書の作成を嫌がることがあります。
二つ目の、夫婦で公証役場へ同行することについては、「夫の顔を見たく
ない」という理由で、妻の方が嫌がる傾向にあります。
上記のことから、公正証書の作成を断念してしまうケースがありますが
そのような場合に用意されているのが “離婚協議書”です。
離婚協議書も公正証書も、離婚の取り決めを記載するため、記載内容は
同じです。ただ、離婚協議書には強制執行の効力がありませんし、夫と
公証役場へ同行する必要もありません。
強制執行の効力がない分、養育費などの金銭を受け取る側としては少し
不安はありますが、離婚協議書も立派な契約書になりますので、取り決め
があったことの証拠となります。夫婦は離婚後に、取り決めを遵守する
義務があります。
公正証書と離婚協議書、夫婦の置かれている状況によって、どちらを作成
するのが適しているのか、メリット・デメリットを比較しながら検討する
ことが大切です。
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