妻も気づかぬ夫への執着心

2023年12月01日

離婚を考えている夫婦のなかで、本人は無自覚でも、第三者から見ると

夫に対して非常に執着しすぎている、気にしすぎている、と思うケース

があります。

 

妻のどういった言動からそう感じるかというと

・夫とのやり取りを自分の中で大きく捉えすぎている

・夫の発言を大げさに解釈する

・夫の行動に対して必要以上に怯える

・夫の過去の言動に対する怒りが収まらない

といった感じです。

 

蓋を開けてみると、妻が考えている以上に夫は悪気がなかったり、妻を

傷つけるつもりはなかったりと、妻の拡大解釈のために、離婚が複雑に

なりすぎてしまうこともあります。

 

離婚ともなれば、夫婦の間で大なり小なり暴言はあります。

どのご家庭でもあります。離婚の話し合いはお互いが敵に思えてしまう

ことがありますから、穏やかにいかないことの方が多いものです。

ただ、あまりに大きく反応してしまうとかえって逆効果となり、

離婚協議が進まなくなってしまいますから、その点を心掛ける必要が

あります。

 

お客様から聞いたお話を例に取り上げてみます。

妻は夫が何度も浮気を繰り返すため、離婚を決断しました。

夫は自分の非を認め、妻に対しては慰謝料と養育費を支払うことで

合意しました。

しかし一度合意に至ったあとも、妻は夫の浮気を許せず、養育費の金額を

釣り上げてみたり、夫の提示する条件に返答しなかったりと、第三者から

みると、わざと離婚を遅延させているような態度を取り続けていました。

その結果、夫は調停を申し立て、未だ係争中です。

 

ここで一つ、抑えておきたいのは、「非を認める」ということは、いろいろ

な形があるということです。

直接相手に謝罪することもそうですし、金銭で償う、というのもまた一つ

です。妻からすれば、直接謝罪してもらったうえで、慰謝料を払ってもらい

たいと思うかもしれません。

ただ謝罪に関しては、なかなか強制することは難しいですから、金銭で解決

できるなら、それでよしと思えた方が事がスムーズに進む場合があります。

この事例の妻は、夫の浮気が許せず、自分が苦しんだ分だけ夫に執着する

あまり、結果的に損してしまうように思えます。

夫が慰謝料という条件を呑んだ時点で、見切りをつけ、離婚手続きを終結させ

るべきでした。

妻が執着しすぎたため、より一層お互いを敵対する気持ちが強まり、スムーズ

な離婚からは遠ざかってしまいました。

 

離婚原因が明らかに夫にある場合、腹も立ちますし、相手も自分と同じよう

に苦しむべきだと思うこともあると思います。

ただ離婚を決断した以上は、マイナスな感情は抑えて、淡々と事務的に

取り決めを行うことが結果的には(経済的にも精神的にも)本人を救う近道

になるような気がします。

Category:離婚相談, 秋田っていっすな~ 日々奮闘する女性行政書士のブログ

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