離婚協議は冷静さが第一

2022年12月12日

離婚の話し合いにおいて一番大切なこと、それは“とにかく冷静であること”

です。分かってはいても、これが一番難しいことです。

 

離婚の話し合い、離婚協議に入ると、どうしても冷静ではいられません。

離婚協議というものは、双方の利益が対立することが基本だからです。

例えば、養育費については、妻としてはできる限り多く支払ってほしい、

夫としては、できる限り金額を抑えたいと考えている。

財産分与に関しても、妻は自宅を取得して子どもと住み続けることを

望んでいるが、夫としては売却してローンを返済してしまいたい。

こんなふうに、お互いの話し合いのゴールが違うため、経過途中で

もめてしまうことになります。

 

離婚協議の理想は、相手のことを思いやって折り合いをつけることと

言われていますが、それができたら苦労しません。

どちらかが一方的に譲歩することになってしまったり、どちらかが主張を

曲げなかったりと、フェアにはいかないことの方が多い、これが現実です。

非常に難しい話し合いだからこそ、冷静でいることが本当に大切になって

きます。

 

話し合いでカッとなってしまうと、思考の視野が狭くなってしまいがち

ですし、相手に対するマイナスの感情が抑えられなくなってしまいます。

離婚協議は、どのご夫婦もどこかにある“落としどころ”を探っていく作業

になります。

相手にどれだけの支払いの意思があるのか、相手が子どもを育てるのに

どれだけのゆとりがあるのか、といったことを探りながら、話し合いを

進めます。

冷静さを失ってしまうと、こういった視点で物事を見ることができなく

なり、「とにかく早く離婚したい」「相手のことなんてどうでもいい」

と間違った方向に進んでしまうことがあります。

夫婦は相手のことを誰よりもよく理解していますから、いざとなれば

相手が一番嫌がることを請求したり、わざと相手を怒らせて話し合い

を破棄してしまうなんてことも容易にできてしまいます。

 

その反対に、相手に対する配慮がある場合、話し合いがスムーズに進む

こともあります。

「本当は養育費は5万円ほしいけど、相手の生活のことを考えて4万円

で構わない」「自宅は残したいけれど、ローンの支払いが大変だろうから

売却に協力する」といった譲歩をされると、相手も悪い気はしません。

本来離婚協議において、できれば譲歩はしたくないと思います。

ただ、離婚後の生活を考えてみると、養育費一つとってみても、金銭を

支払う方が余裕をもって毎月支払っていけるようにすることが、継続的な

支払いに直結することになります。

離婚後も相手と連絡を取り合う必要がある場合などは、離婚協議で譲歩

することが、長い目でみると得になることも多々あります。

 

お互いが無理な条件で離婚することだけは一番避けたい事態です。

高額な養育費を取り決めたとしても、途中で相手に支払う能力がなくなっ

てしまったら、困るのは受け取る側です。

また反対に、相場より低い養育費を無理に押し通したことで、子どもが

つらい思いすることは支払う側の責任です。

 

離婚協議は、まず冷静であるように努めること、長期的な視野をもって

考えること、この2点、実践は簡単ではありませんが、意識してみる

だけでも違ってくると思います。

Category:離婚相談, 秋田っていっすな~ 日々奮闘する女性行政書士のブログ

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